発達障害の症状

前回、知的障害と発達障害の特徴に触れましたが、ここでは発達障害の症状を整理してみたいと思います。

発達障害は

・広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群など)

・学習障害(LD)

・注意欠陥多動性障害(ADHD)

に大別されますが、それぞれ異なる特性を有しています。

自閉症

急に予定が変わったり、初めての場所に行ったりすると不安で動けなくなることがあり、そんなときに周囲から働きかけられると、不安から不穏行動(大声、他害など)に走ることがあります。

また、こだわりが非常に強く、周りから指摘されたり、無理に直されたりすると、とたんに落ち着かなくなってしまうこともあります。

まわりの人たちは理解ができず、対応に苦慮する場面が見受けられますが、慣れ親しんだ環境では誰よりも献身的に物事に取り組むことができるという一面もあります。

アスペルガー症候群

自分のことを一方的に話し続ける、その場の空気を読んだ会話ができない、周囲から促されるまで話が止まらない等々、一見すると自分勝手、相手に気遣いができない、わがままな人間だという印象を与えてしまいがちです。

その反面、自分が得意とする分野に関しては、専門家顔負けの知識を持っていることも多々あります。

学習障害(LD)

会議で大切な情報を逃すまいと、もともと苦手なメモに集中し過ぎるあまり、全体的な内容を追い切れなくなるようなことがあります。

ただ、ボイスレコーダーや他のツールを駆使して、自らの課題を補完するといった工夫をすることもできます。

意欠陥多動性障害(ADHD)

仕事をしていても大切な予定を忘れてしまう、書類を紛失してしまう、あれもこれもと気になり手を付けるがどれも中途半端に終わってしまう、といった傾向が見受けられます。

そのため周囲からは、「何度言っても同じミスを繰り返す」と指摘を受けることがあります。その反面、ちょっとした変化の気づき、周囲への気配りは得意という特性を持ち合わせています。

これらはあくまで例示に過ぎず、ほかにも様々な特性があります。また、発達障害はその種類を明確に区別することは難しく、いくつもの症状を併せ持っていることもあります。さらに加齢、環境によって特性が変化するため、同一人でも成長過程において診断名が変わってしまうことも往々にしてあります。

支援の場面においてはなにより周囲の理解が大切です。

それでは今日はこの辺で。