病歴・就労状況等申立書③ ~ 障害年金豆知識 ~

引き続き「病歴・就労状況等申立書」の記載事項をみていきましょう。

表面、中段には「発病から現在までの経過」の欄が設けられています。

ここには発病から時系列で障害年金の請求をする現在までの状況について、期間を空けずに記入します。

なお、1つの期間が、5年を超える場合は、その期間を3~5年ごとに区切って記入します。

それぞれの欄には「受診した・しない/医療機関名」の項目が設けられています。

ですので、定期的に受診していた期間はもちろんのこと、一時的に傷病が軽快し、受診していなかった期間があるときは、その期間も省略せずに記載します。

また、医療機関を変更(転院)した場合には、医療機関ごとに区切って記入し、その理由や当時の状況なども記載します。

さて、ここで特に重要なポイントがあります。

1つ目は、

〉生来性の知的障害については、「発病から」ではなく「出生から」記載する。

ということです。なお、その場合、

〉1つの欄の中に、特に大きな変化が生じた場合を中心に、

〉出生時から現在までの状況をまとめて記入してもよい。

こととされています。

ただ、通常は節目ごと(たとえば小学校 ~ 中学校 ~ 高校 ~大学 の在籍期間)に区切って記入することが多いです。

2つ目は、

〉「発達障害」についても同じように取り扱われる。

ということです。

発達障害には、

・自閉症スペクトラム障害(ASD)

・注意欠如・多動性障害(ADHD)

・学習障害(LD)

がありますが、これらで障害年金の申請を考えているかたは出生から現在まで、となります。

ちなみにですが、どの障害に該当するかは、基本的に

〉請求傷病

で判断します。

ですので、発達障害の二次障害としてうつ病を発症するケースがありますが、この場合にうつ病で申請する場合は、うつ病の発症の頃から記載することになります。

ただ、発達障害も併存することから、審査判定の段階で発達障害についても記載が必要と判断され、追加の情報を求められることもあります。

そうなると処分までに余分な時間がかかりますので、当初から発達障害も記載して提出する、という対応をすることもあります。

続いて3つ目、

〉2番目以降に受診した医療機関の証明書を用いて

〉初診日証明を行った場合は、発病から証明書発行

〉医療機関の受診日までの経過を、1つの欄の中に

〉まとめて記入することができる。

ことです。

なお、証明書発行医療機関の受診日以降の経過は、受診医療機関等ごとに記載します。

たとえば、

・A病院で受診した3歳児検診で発達障害の診断を受け、

・その後10歳の頃にB病院に、17歳の頃にC病院に転院

したケースで、初診のA病院が廃院していたため初診日の証明がとれず、B病院で受診状況等証明書を作成してもらった場合、B病院を受診するまでの期間は病歴を区切る必要はなく、B病院以降は原則どおり医療機関ごと、所定の期間ごとに区切って記載することになります。

発病から現在までの経過だけでもこのボリュームです。これでようやく表面が終わりましたが、まだ裏面が…

しかも過去の記憶、記録をたどりながらですからそう簡単に書き上げることはできません。

思いのほか時間、労力がかかりますので事前の準備を怠りなく。

それと、わからないことは周囲に相談しましょうね。

それでは今日はこの辺で。