年金証書を読み解く③ ~ 障害年金豆知識 ~

さて、引き続き年金証書の記載事項を確認していきます。

今回は「国民年金」の「障害年金」という視点で、資料⑮「年金の種類と年金決定の根拠となった国民年金法の条文」を読み解いていきたいと思います。

まず、「年金の種類」については「障害」となります。

ちなみにですが、年金には大きくわけて「老齢」「障害」「死亡」の種類(「保険事故」といいます)が設けられており、それぞれ老齢年金、障害年金、遺族年金が支給されます。

次に「年金の種類と年金決定の根拠となった国民年金法の条文」ですが、ここを理解するためには少し専門的な知識が必要です。

【参考】

国民年金法

こちらの第30条から第30条の4までの規定をご覧ください。

… ふつうは読めない(笑)

日常生活において法律の条文を目にすることなどほぼありませんので、読み解けなくて当然です。

そのうえで覚えておいていただきたいのは、「障害年金」にはいくつかの種類があって、支給決定の根拠となる規定が異なる、ということです。

…???

わかったような、わからないような(笑)

では、実際に条文ごとにみてみましょう。

法第30条:障害年金

→ いわゆる認定日請求(本来請求/遡及請求)により支給される障害年金

法第30条の2:事後重症による障害年金

→ 障害認定日において障害等級に該当しなかったかたが、65歳到達前に障害等級に該当したときに支給される障害年金

法第30条の3:基準障害による障害年金

→ 複数の障害を併合して初めて障害等級に該当した場合に支給される障害年金で、「初めて2級の障害年金」ともいわれます。

法第30条の4:20歳前障害による障害年金

→ 20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある傷病により障害状態になった場合に支給される障害年金

この資料⑮では「第30条の4」という記載がありますので、「20歳前障害による障害年金」の支給決定を受けていることがわかります。

ちなみに「遡及請求」をした場合にさかのぼりが認められれば、原則として「法第30条」が、認められなかった場合(=事後重症扱い)は、「法第30条の2」が記載されます。

自分がした請求についてどのような支給決定がなされたのかを知ることができますし、前回確認した「受給権を取得した年月」や「支給開始年月」などと相関関係にあることもわかります。

いかがでしょうか?

今回の内容は難易度Aクラスです(笑)

障害年金、思いのほか奥深いですね。

それでは今日はこの辺で。