「知的障害」と「発達障害」はいずれも精神の障害として障害年金の対象とされますが、それぞれ異なる障害です。ただ、知的障害と発達障害を併発することがあり、疑問や誤解を生じることがあります。
今回はその特徴を整理してみましょう。
知的障害
厚生労働省 知的障害児(者)基礎調査では、「知的機能の障害が発達期にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義しています。
もう少しかみ砕いていうと、
・おおむね18歳までに発症している
・知的能力(IQ)が70未満である
・日常生活への適応能力が低い
ことにより日々の生活のなかで困難さを感じ、何らかの支援を必要としている状態のことといえるでしょうか。医学的な見地からは「精神遅滞」といわれます。
発達障害
発達障害者支援法では、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義しています。
つまり、発達障害は大きくわけて、
・広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群など)
・学習障害(LD)
・注意欠陥多動性障害(ADHD)
の3つに区分されることになります。
その発症時期には差があり、広汎性発達障害は1歳ごろ、学習障害は小学校低~中学年ころ、注意欠陥多動性障害は7歳頃までに発症することが多いとされています。
いかがでしょうか?
発達障害があっても、知的な遅れを伴わないのであれば知的障害者とはされませんが、両方の障害を併発するかたも少なからずいらっしゃるので、明確に区別することが難しいという側面もあります。
とはいえ、障害年金の請求においては初診日の扱いが異なりますから、どちらの診断を受けているのかはとても重要なポイントです。
それでは今日はこの辺で。