前2回に引き続き、「初診日」について。
今回は「初診の医療機関で初診日の確認がとれない場合」の対応です。
通常、初診日は受診状況等申立書(初診と現症の診断書を作成する医療機関が同じときは診断書)により確認します。
ところが転医(終診)から5年を経過すると診療録(カルテ)が廃棄されてしまうことがあります(診療禄の保存期間は5年)。
また、医療機関そのものが廃止されていて、初診時の診療録に基づく初診日の証明をとることができない、ということもあります。
このような場合、
① 2番目に受診した医療機関で受診状況等証明書を作成してもらい
② 初診の医療機関に関して受診状況等証明書が添付できない申立書を作成し
③ 初診日を合理的に推定できる具体的な資料を添付する
ことで、本人が申し立てた日が初診日と認められることがあります。
(2番目に受診した医療機関でも証明がとれない場合、3番目以降の医療機関について古い順に証明が取れるところまで同じ手順を踏みます)
ちなみに「初診日を合理的に推定できる具体的な資料」には次のようなものがあります。
① 身体障害者手帳・療育手帳、精神障害者保健福祉手帳 |
② 身体障害者手帳等の申請時の診断書 |
③ 生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書 |
④ 交通事故の証明書 |
⑤ 労災保険の事故証明書 |
⑥ 事業所等の健康診断の記録 |
⑦ インフォームド・コンセントによる医療情報サマリー |
⑧ 健康保険の給付記録(健康保険組合や健康保険協会等) |
⑨ 他の受診医療機関への紹介状 |
⑩ 電子カルテ等の記録( |
⑪ お薬手帳、診察券 |
⑫ 第三者証明 等 |
初診日の確認が取れないと手続を先に進めることができませんので、まずは可能な範囲でお手元の資料を整理しましょう。
ちなみに初診から時間が経過しているときは、本人すら忘れてしまっている受診記録があった、なんていうことも・・・
記憶があいまいなときは家族や知人、学校の先生等々、当時の自分を知っているかたに聞
いてみるなどして、正確な情報を集めましょう。
それでは今日はこの辺で。