前回お知らせしたとおり、「はじめの一歩」シリーズとして、障害年金請求の1・2・3につきまして。
さて、障害年金の請求手続は、本来的には請求者本人が行うことを基本としています。
とはいうものの、手続は複雑ですし、円滑に進めたとしても数カ月、場合によっては1年単位の時間を要します。なにより障害でお困りのかたがそのような負担に耐えつつ、滞りなく手続を進めていくことにはそもそも無理があるように思えます。
そのために我々のような社会保険労務士が存在するわけですが、なにごとも基本や原理原則、という考えかたは大切です。
ですので、まずは「請求者本人で障害年金の請求する場合」の流れを整理してみたいと思います。
まずもって請求者『単独』で請求手続を完結させることは極めて困難だと思います(それだけ複雑、難解なことが多いということです)。
ただ、支援を受けて、適切な情報を入手しつつ進める、ということであれば、決してできないことではないかな、とも思います。
請求者本人で進めるということであれば、まずは「年金事務所で年金相談で受ける」ことをお勧めします。
年金相談は、直接、年金事務所に出向いて飛び込みで申し込んでもよいのですが、たいていの場合、相当の待ち時間がかかりますし、状況により当日は受け付けてもらえないこともあります。
そのため、事前予約をしておくとスムーズです。
〉予約相談について (日本年金機構の公式サイトはこちら)
ちなみに電話相談にしてもネット予約にしても、必要な情報がありますので、以下、事前に整理しておくとよいでしょう。
基本情報
本人確認情報としていくつかの情報が求められます。
・氏名
・生年月日
・住所
・連絡先
・基礎年金番号(「年金手帳」や「基礎年金番号通知書」のほか、保険料の納付書や免除決定通知書なども可)
・家族構成(配偶者や子の有無)
初診日および年金の加入状況
障害年金にはいくつか種類があります。
基本的に「初診日」にどの制度に加入していたかにより判断されます。
また、支給要件のひとつである「保険料の納付状況」は、「初診日の属する月の前々月まで」について判断されます(ちなみに20歳前傷病による障害基礎年金は保険料納付要件は問われません)。
したがって、まずは「初診日」を特定すること、次に「初診日において加入していた年金制度」を明らかにする必要があります。
初診日については、厳密に「●年●月●日」と断定できるケースばかりではないと思いますが、そのときはおおよその期日で大丈夫です。
そのほか過去に通院していた医療機関や受診歴、診断内容などが問われることがあります。わかる範囲で端的に伝えるようにしましょう。
なお、保険料の納付状況については、年金事務所が保有する記録をもとに確認することとなりますので、予約の段階で詳細まで求められることはありません。
障害の概要
障害年金の請求に係る傷病、障害について、診断名などおおまかに伝えます。
相談の目的
障害年金の請求を考えていることを伝えるとともに、「今後、本人で手続を進めていきたいので、必要な書類や手続の流れを教えてもらいたいこと」を明確に伝えます。
余談ですが、年金事務所の相談員さんは障害年金に精通しているかたばかりとは限りません。
相談員にとっても特殊な相談、というと言い過ぎかもしれませんが、それだけ専門性が高いと考えていただいてよいと思います。
ですので、最初にしっかりと伝え、障害年金について相応の知識経験を持ち合わせた相談員さんに担当してもらうことが大切です。
(相談員さんの指定、指名はできませんが、事前に伝えることで年金事務所側にも相応の配慮をしてもらえるものと思います)。
以上、請求者本人で障害年金の請求手続を進める場合の最初の一歩、年金相談の申込みについてまとめてみました。
これだけで相当のボリュームになりますね…
次回は「年金相談を受けつつ、年金請求書を提出するまで」について触れてみたいと思います。
それでは今日はこの辺で。