・初診では「適応障害」
・2番目のクリニックでは「うつ病」
・現在通院している病院では「双極性障害」
同一人の症状について、診断ごとに傷病名が変わってしまう。
実は決して珍しいことではありません。
精神の障害は、診断の際、正確な症状を伝えきれないことも多く、本来の傷病名とは異なる診断がなされてしまうことが…
その後、診察を重ねるうちに徐々に症状の把握、理解が進んだ結果、傷病名が変更されるということは往々にして起こり得ます。
(ちなみに、以前、複数の傷病について関連性を問う「相当因果関係」について触れましたが、そちらは「異なる疾病、疾患」の関係性をとらえたものですので、少々性格が異なります)
いずれにしても、このような場合、傷病名ごとに初診日を考えるのではなく、一連の過程をみて判断されます。
(今回のケースでは、最初に「適応障害」と診断されたところが初診日とされます)
ちなみに「一連の過程」をみたときに、「症状は長期にわたるものの、その間にある程度の期間病状を示さなかった時期がある」ような場合、「社会的治ゆ」として判断され、前後の傷病が別個のものとして取り扱われることがあります。
この「社会的治ゆ」については回を改めて触れてみたいと思います。
それでは今日はこの辺で。