「国民皆年金制度」をご存じでしょうか?
20歳以上60歳未満の人は、すべて公的年金制度に加入することとした制度で、基礎年金制度と称されることもあります。
国民皆年金制度においては、要件に該当すると、本人の意思にかかわらずいずれかの年金制度に加入することになりますが、制度のはざまでそこからもれたときは、任意に加入することができる場合があります。
ただ、強制加入の要件に該当せず、さらに任意加入もしていなかったことで、障害を有するにもかかわらず障害年金の支給要件を満たせないかたもいらっしゃいます。
そのようなかたを対象として、福祉的措置による「特別障害給付金」が設けられています。。
少々複雑な制度ですので、今回はおおまかな内容を整理してみたいと思います。。
対象者
(1)平成3年3月以前に国民年金任意加入対象であった学生
(2)昭和61年3月以前に国民年金の任意加入対象であった被用者等の配偶者であって、当時、任意加入していなかった期間内に初診日があり、現在、1級または2級相当の障害の状態にあるかた
※請求は65歳到達日の前日まで
支給額(月額/令和5年)
障害基礎年金1級相当: 53,650円
障害基礎年金2級相当: 42,920円
給付制限
受給者本人の前年の所得が4,721,000円を超える場合は、給付金の全額が支給停止、3,704,000円を超える場合は2分の1が支給停止されます。
請求先
住所地の市区役所、町村役場
障害年金には様々な支給要件が設けられています。
法律上、加入すべき時期に加入しない(=保険料を適切に納付しない/保険料滞納)と、障害年金はもらえません。
ただ、そもそも論として、年金制度への加入が義務づけられていない、任意の扱いとされているかたにも原則論を当てはめるのは、いささか酷な面もあります。
そこで設けられたのがこの特別障害給付金、ということになります。
あれこれと指摘されることの多い日本の社会保険制度ですが、制度発足当時から見直しが続けられた結果、その完成度は非常に高いものになっています。
それでは今日はこの辺で。