障害年金の請求にあたり、なにより重要となるのが「初診日」です。
この初診日は、「障害の原因となった傷病につき、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日」と定められていますが、例外もあります。
初診日の例外
① 同一の傷病で転医をしているとき | 最初に医師等の診療を受けた日 |
② 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断されるとき | 対象傷病と同一傷病とされる他の傷病名の初診日 |
③ 障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるとき | 最初の傷病の初診日 |
④ 先天性の知的障害 | 出生日 |
⑤ 先天性の心疾患、網膜色素変性症など | 具体的な症状が出現し、初めて診療を受けた日 |
具体例
次にいくつか具体例をみてみましょう。
ケース1.請求傷病名は「知的障害」であって、初めて医療機関を受診したのは就学前であるとき → 初診日:出生日(この場合、受診状況等証明書(= 初診日証明)は不要となります) ポイント 先天性以外の知的障害(=頭部外傷や高熱などによるもの)は、原則として初めて医療機関を受診した日が初診日となり、受診状況等証明書も必要になります。 |
ケース2. 請求傷病名は「発達障害(自閉症スペクトラム、注意欠陥多動性障害など)」であって、療育手帳を所持しているとき → 初診日:自覚症状があって、初めて診療を受けた日 ポイント この場合、療育手帳の有無は関係ありません。 |
ケース3.請求傷病名は「変形性股関節症」であって、40歳のときに違和感を覚えて初めて受診し、傷病が判明した場合であって、医師からは生まれつきの傷病と診断されているとき → 初めて受診した日 ポイント 「先天性股関節脱臼」の初診日には、発症及び生育過程により次のパターンがあります。 ① 完全脱臼したまま生育したとき:出生日 ② 青年期以降になって変形性股関節症が発症したとき:発症後に初めて受診した日 |
「初診日」は、このほかにもいくつも例外的な取扱いがあります。
初診日は、障害年金の種類、障害認定日の特定、保険料納付状況の確認と、あらゆる要件に紐づきますので、その判断を誤ると、一からやり直しになってしまいます。
証明書の作成費用、時間、労力、なにより手続が先に進まないことへの焦り、不安につながりかねませんので細心の注意を払う必要があります。
それでは今日はこの辺で。